#人気の耳介軟骨移植で10年後に「後戻り」は起こるのか? トラブル回避策を医師が解説

数ある鼻整形の中でも、比較的少ないダウンタイムで手軽に鼻先に高さ・細さを出すことができる「耳介軟骨移植」は、当院でも人気の施術です。同じような施術として鼻中隔延長術がありますが、こちらと比較するとダウンタイムが少ない分、効果もマイルドになり、それゆえ「ダウンタイムを最小限に抑えて」「周囲にバレない程度の自然な変化」を求める方に人気があります。
鼻の施術に限ったことではありませんが、美容医療においては昨今「ダウンタイムをできるだけ抑えたい」というリクエストは年々増えていることもあり、このような時代背景からも耳介軟骨移植は当院でここ数年、特にご指名が増えている施術です。そして、そんな中で耳介軟骨移植を検討されている方から頂くご質問で多いのが、
手軽な施術である分、将来的に「後戻り」するリスクはないのか?
という「長期経過における持続力」についてです。(「後戻り」とは、術後に次第に術前の状態に戻ってしまうことを言います)
特に耳介軟骨移植の中でも「クローズ法」という鼻の中を切開して行う術法の場合、術後に一切傷跡ができない上に価格もオープン法(鼻柱の皮膚側を切開して行う通常の方法)よりもリーズナブルであることから当院では沢山の患者様にご指名いただいているのですが、この方法だとアプローチ範囲が通常の術式よりも狭くなってしまうこともあり(※この点については診察で患者様には必ず説明させていただいております)、「後戻り」の心配をされる方が特に多いです。
そこで今回は、耳介軟骨移植後に起きうる「後戻り」の可能性を含めた長期経過について、また「後戻り」をできるだけ避けるためのトラブル回避策について解説していきたいと思います。
以下、この記事でお伝えしたいことをまとめます。
- 耳介軟骨移植(クイック法)の適応について
- 耳介軟骨移植で後戻りが生じる理由
- 耳介軟骨移植と鼻中隔延長術、それぞれの「後戻り率」
- 術式選択の際に知っておくと有利なダウンタイムと効果のバランス
- 10年後もトラブルを回避し、術後の仕上がりを維持するための対策
どうぞ最後までお付き合いください。
耳介軟骨移植の適応について
耳介軟骨移植とは?
「耳介軟骨移植」とは、低い鼻先に軟骨を移植して高さを出したりシャープさを出す施術です。術法が比較的シンプルなため大きな変化は出せないのですがその分ダウンタイムが少なく、当院では「自然な変化」を求める方がこの施術を選ばれることが多いです。
耳介軟骨移植の施術の流れ
耳介軟骨移植は、耳から採取した軟骨(耳介軟骨)を鼻先の軟骨(鼻翼軟骨)の上に重ねることで鼻先に高さを出すというシンプルな施術です。採取した軟骨は2~4枚程を重ね合わせることでボリュームを出し、この軟骨の束を鼻先に挿入することで高さを出します。施術は30分程度で終了するため、鼻整形の中でもかなりライトな部類の施術となっています。オープン法とクローズ法
耳介軟骨移植の具体的な手技には「オープン法」と「クローズ法」があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、特徴を掴んだ上で術式をお選びいただくとよいでしょう。① オープン法


② クローズ法

ただしデメリットとして挙げられるのが「出せる高さに限界がある」という点で、鼻腔内アプローチの場合は術野が狭く限られてしまうため、どうしてもオープン法ほどは大胆かつ細かな手技が難しくなります。そのため当院では、鼻先にほんの少しの変化を出したいという方に対してクローズ法をお勧めしております。

>本症例の詳細解説はこちら
耳介軟骨移植の主な特徴と適応
【耳介軟骨移植のメリット】
- ダウンタイムが少ない(1~2週間程度でほぼ改善)
- 施術時間が短い
- 施術費用が比較的リーズナブル
【耳介軟骨移植が適応となる方】
- 周囲にばれない程度の「自然な変化」が欲しい
- ごくわずかに高さを出したい
- ダウンタイを最小限にしたい
- 施術費用をできるだけ抑えたい
【耳介軟骨移植のデメリット】
- 鼻先を伸ばせるミリ数に限界がある。
- 鼻中隔延長術ほどの大きな変化は出ない
- 術後の長期経過において後戻りする可能性がある (この点が、10年後も仕上がりを維持できるかという際の最大の懸念事項となります)
- 鼻先を下に向ける(下方へ延長する)効果は少ない
- 鼻の穴を目立たなくする効果は少ない
- 複合施術には向いていない(鼻中隔延長術を推奨)
つまり耳介軟骨移植は、
- 術後に後戻りする可能性があっても、
- できるだけ手軽に
- 周囲にバレない程度の変化を出したい
最近は一昔前のように大胆な変化を希望される方もかなり減っており、多くの方が「ナチュラルさ」「自然な美しさ」を求める傾向にあります。このような社会的背景もあり、耳介軟骨移植がここ最近で特にご指名が増えている理由になるのかと思います。
ただし注意点として、「長期経過」や「施術効果(変化を出せる程度)」についてはマイナス点があるため、この点を事前に理解した上で施術を受けられるとよいでしょう。
耳介軟骨移植と鼻中隔延長術との違い
患者様からの質問も多い「鼻中隔延長術」との違いについても簡単にまとめていきたいと思います。耳介軟骨移植、鼻中隔延長ともに「鼻先に高さを出す」ことを目的とした施術です。診察の際に「どちらの施術がオススメですか?」という質問をいただくことが大変多いのですが、結論から先にお伝えすると、長期経過後でも安定した美しい仕上がりを長く維持できるのは、やはり「鼻中隔延長術」になります。その理由は「①土台構造の違い」「②アプローチする軟骨の違い」の2点によるところが大きく、詳しく述べると長くなってしまうので割愛しますが、ごく簡単に違いを以下に列挙していきます。
① 土台構造の違い
鼻中隔延長術
鼻中隔延長術は、移植した軟骨を「左右の鼻翼軟骨」と「鼻の奥にある鼻中隔軟骨」で支持固定します。この方法は移植軟骨が「3方向」からの支えを得るため、非常に安定します。耳介軟骨移植
対して耳介軟骨移植は、高さを出すための土台となる部分は鼻翼軟骨のみとなります。さらに鼻翼軟骨自体が、もともとそれほど強固な組織ではないため、耳から採取した軟骨を重ねて挿入しても時間とともに土台部分が沈んでしまう(元の状態に戻ってしまう=後戻り)可能性があります。② 使用する軟骨の違い
鼻中隔延長術
鼻中隔軟骨は非常に硬く厚いしっかりした組織のため、軟骨を移植した際にかかる負荷(抵抗力)に負けることなく「術直後の状態」を持続させるための反発力が働き、イメージ通りの形状を長期にわたって保持することができます。耳介軟骨移植
1つ目(①土台構造の違い)で述べた通り形状を長期保持するためには土台と移植物の間における反発力(抵抗力)がポイントとなるのですが、耳介軟骨移植の場合は土台となる鼻翼軟骨そのものの安定性もそれほど良くないため、医師が意図した形状を長期に渡って保持することが難しいという欠点があります。上のような理由から、10年などの長期経過後も美しい仕上がりを維持したいという際にはやはり鼻中隔延長術が有効であり、実際に「鼻先を高くする施術」としてこの施術をメインで行っているクリニックが多いというのが状況です。ただし鼻中隔延長術は、調子に乗って鼻先を伸ばし過ぎると長期経過後に鼻先が曲がってきたり、鼻先で軟骨が浮き出てきたりするリスクもあります。「後戻り」のリスクで見ると鼻中隔延長術に軍配が上がりますが、「鼻先の曲がりにくさ」という点で見れば、精確にピラミッド型に軟骨を積み立てた耳介軟骨移植のほうが、余程無理をしない限りは倒れにくく安定性があるため有利と言えるかもしれません。
10年後も後悔しないためのトラブル回避策

仕上がりイメージにあった「術式の見極め」
「ほんの少しの変化が欲しい」「できるだけダウンタイムを抑えたい」
「しっかりと鼻先に高さと細さを出したい」「上を向いた鼻先を下方向にしっかり伸ばしたい」
など、患者様によって施術に対するご要望は実に千差万別です。術後のトラブルを回避するために重要な対策の1つ目としては、これらの「仕上がりイメージ」にあった術式を医師が選択することで、そのためにも事前の診察におけるヒアリングがポイントとなります。最近はクリニックによっては医師ではないスタッフが診察前のカウンセリングを行っているところも増えているようですが、医師とのコミュニケーション不足などがあった場合は、希望するイメージに仕上がらなかったリ、予期していなかった術後トラブルが生じることもあるため、当院では一貫してカウンセリング・診察・施術・アフターフォローまでを私、院長の小松が担当しています。
話が少し脱線しましたが、術後の見極めの目安となる点を以下に記載します。
- 自然な変化+ダウンタイムを抑えたい方: 耳介軟骨移植
※ただし、わずかな後戻りが生じる可能性を理解した上で。 - しっかりとした変化+永続的な安定性重視の方: 鼻中隔延長術
- ダウンタイム・安定性・効果全ての重視したい方:ハイブリット移植
- 耳介軟骨移植と鼻中隔延長術のメリットを全て網羅したい、というご希望があれば、鼻翼軟骨の内側脚を強化しつつ軟骨を重ねる「ハイブリッド移植」も可能です。術式が多少複雑になるため施術費用が少し割高になりますが、効果やダウンタイム、安定性全てにおいて「できるだけ理想に近い仕上がり」をご希望の際にはお勧めです。
医師の技術力・経験値
今回のコラムでは、耳介軟骨移植は後戻りが生じる可能性が高いという点を述べてきましたが、実際にところは術中に左右の鼻翼軟骨を縫合する際に一般的な方法よりも中央に少し寄せて土台を強化する手技を加えるなど、術中にいくつか特殊な操作を加えることによって後戻りを最大限防ぐことも可能です。一般的には非常にシンプルな施術と言われる耳介軟骨移植ですが、実際のところは医師が自身の経験や症例などをもとに、後戻りのリスクを回避するためにそれぞれ創意工夫をしているというのが現状です。そして、このようなオリジナルの操作を追加して行うには、鼻の内部構造を正確に把握している形成外科医による手術がやはり有利であり、さらに言うと症例数や経験年数によっても大きな差が生じます。つまり施術を担当する医師の技術力・経験値によって結果(=後戻りしない確率)が大きく異なってくると言えるでしょう。
適切なアフターフォロー
昨今は以前よりもクリニックの入れ替えがかなり激しくなっており、新規開院も多い反面、閉院に追い込まれてしまうクリニックもしばしば見受けられます。美容医療において大事な点として、カウンセリングや施術の見極め、医師の経験値なども挙げられますが、施術後も長期に渡って患者様をフォローアップする仕組みがあるかどうかという点も大変重要なポイントとなります。10年後、万が一後戻りが生じた時に「施術をしてくれたクリニックがない!先生と連絡が取れない!」ということにならないように、経営基盤が安定したクリニックを選ばれる方がよいでしょう。安定したクリニックを見極めるのはなかなか難しいですが、「過度な広告を出していない」「格安キャンペーンなどを行っていない」「分院展開が早すぎない」「ドクターの入れ替えが激しくない(※できれば医師は1名のみ=個人院であるほうが、執刀医が明確ですので安心です)」などが一つの基準になるかもしれません。耳介軟骨移植における短期的なダウンタイム・リスク

ダウンタイム
・赤み・腫れ
赤み・腫れのピークは術後2~3日後となります。軽微な腫れがひくのまでには、個人があるものの約1~2週間程度となることが多いです。
・内出血
内出血が生じた際には2~3週間程度で次第に改善します。・傷跡
オープン法で行った場合は鼻下(鼻柱付近)に傷跡が生じます。ただし当院で行う耳介軟骨移植の場合、切開線を鼻柱部分に綺麗に揃えて施術を行っているため、術後に傷跡が悪目立ちすることはほぼありません。(今までに傷跡が目立ったという声も患者様からは一切頂いておりません)
クローズ法は鼻の中を切開して行う術式のため、術後に一切皮膚側に傷跡ができません。
リスク・副作用
腫れ、内出血、赤み、傷跡の他、皮膚面の凹凸、色素沈着、左右差、血腫、一時的な知覚麻痺などが生じる可能性があります。いずれも時間の経過と共に次第に改善していくことがほとんどです。またごく稀ですが、施術によって感染が生じることがあります。10年後も後悔しないために

ここまで、耳介軟骨移植によって10年後や20年後(=長期経過後)に後戻りなどのトラブルが生じるか否か、また生じる場合はその確率について簡単ですが見解をまとめてきました。
耳介軟骨移植は「ダウンタイムが少ない」「費用的にリーズナブル」「クローズ法の場合は傷跡が一切できない」などのメリットがあるため、施術を希望される方も増えている鼻整形術のひとつですが、10年後の安定性については、「施術を担当する術者のスキル」や「仕上がりにあった術式で施術を行っているかどうか」などによっては後戻りする可能性がかなり高くなります。以前よりも身近で手軽にイメージになっている美容医療ですが、医師選び・クリニック選びは慎重に行うことをお勧めします。
…といっても、いきなり医師に対面で相談するにはまだ少し不安や抵抗がある、という方もいらっしゃるでしょう。そのような方向けに、現在当院では画像による無料相談を行っています。気になる部位の写真と相談内容を専用フォームから送っていただければ、院長の小松自らが直接確認して一人ひとりに施術の適性などを回答させていただきます。(画像でわかる範囲となる点はご了承下さい)特に初めての方は色々と不安もあるでしょうから、できるだけそんな不安を払拭していただき、安心・納得された上で施術を受けていただければと考えておりますのでお気軽にご活用下さい。
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院長・監修者情報
みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長
札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士