鼻中隔延長術+鼻孔縁下降術
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正面から見たときの鼻の穴の面積が大きく、さらに横から見ても鼻の穴が目立つ状態(Nostril show/ノストリルショー)を両方とも改善したいとご相談に来られた26歳の女性です。
診察の結果、今回の方の場合は「鼻先そのものが上向きになっていること」と「鼻孔縁(鼻の穴のフチ)の位置が高くて鼻の穴が見えやすい状態になっていること」の2つが原因であると判断しました。


そのため今回は、以下2つの施術を組み合わせて行っています。
①鼻中隔延長術によって鼻先を斜め下方向へ伸ばす
②鼻孔縁下降術によって鼻の穴のフチを下げる
今回の症例は、単純に「鼻の穴を小さくする」のではなく、「鼻先の向き」と「鼻孔縁の位置」という2つの原因に対して、それぞれ別のアプローチを行った事例となります。
鼻中隔延長術では、鼻中隔軟骨に耳介軟骨を継ぎ足すことで、上を向いた鼻先を斜め下方向( derotation )にしっかりと伸ばし鼻の上下長を確保しています。 また鼻孔縁下降術では、高くなっている鼻のフチ(鼻孔縁)の裏側に耳から採取した皮膚と軟骨の複合組織(composite graft)を移植し、鼻孔のアーチを低くすることで正面や斜めから見た際に気になる鼻の穴の面積を小さくしています。
アプローチはオープン法を採用しました。オープン法は鼻柱(左右の鼻の穴を隔てる柱)の根元を切開するため医師が術野をしっかりと確保することが可能です。複合手術はミリ単位での緻密な軟骨固定や正確な複合組織の配置が必要なため、オープン法による施術が第一選択となります。
今回のポイントは、「鼻の穴が目立つ」という主訴に対して、原因にあわせて鼻中隔延長術と鼻孔縁下降術を組み合わせて対応している点です。
・鼻先が上向き → 鼻中隔延長術
・鼻孔縁の位置が高い → 鼻孔縁下降術
本症例に限りませんが、患者様のお悩みについては「どの部分が現在の見え方を構成しているのか」を分解し、それぞれに対して必要な処置を組み合わせることで、鼻全体のバランスを整えていきます。
鼻の整形は目元や口元などと比較して複雑な手技になることが多いのですが、特に鼻の穴については、「目立って見える原因」の個人差が大きく、一人ひとりの状態にあった方法で治療を行う必要があります。
診察では、正面・下方・斜め45度・真横の4方向を中心に鼻を全方位的に観察し、特に以下3つの点について個別で評価をしていきます。
①鼻尖の回転角度(鼻唇角)
②鼻孔縁アーチの高さと頂点の位置
③鼻翼基底幅
これらのうちどの要素が原因で「鼻の穴が目立つ」状態になっているのか、ここを適切に見極めることがこの治療の出発点となります。あくまで個人差はあるものの、評価した要素に応じて対応する術式は次のように整理できます。
(鼻先が上を向いている・鼻尖回転角度/鼻唇角 が大きい)
(鼻孔縁が上がっている・鼻孔縁のアーチの頂点位置が高い・鼻孔形態が三角形に近い)
(小鼻が横に広い)
私の場合は上記のような評価で原因を分解した上で、単独施術・複合施術、さらには2段階手術の必要性(鼻中隔延長術で鼻先を下げたのち、期間を空けて鼻孔縁下降術を追加する)について判断し、治療計画を立てるといったフローで施術を行っています。
今回の手術では鼻中隔延長術と鼻孔縁下降術を同時に行っていますが、この2つの手技を同時に行うと、場合によっては鼻孔縁下降術の効果が弱まる傾向にあることが、症例を積み重ねる中で徐々に分かってきました。
その理由として考えられるのが、鼻中隔延長術の際に行う鼻先の広範囲に渡る剥離です。
鼻先の皮下を広く剥離した状態で耳介からの移植組織を鼻孔縁の裏側に固定すると、剥離によって周囲組織の緊張が緩んでいることにより、移植片が鼻孔縁の皮膚を下方向に押し出す力が通常よりも弱くなる傾向にあるためです。
そのため最近は、
①まず鼻中隔延長術で鼻先の向きを整える
↓
②約6ヶ月経過をみる
↓
③それでも鼻孔縁の高さが気になる場合に鼻孔縁下降術を追加する
という二段階で手術を行うことが増えてきています。
同じ術式であっても、実際の症例経過を見ながら手術方法や組み合わせ方は随時アップデートを繰り返していく、というのが私の考え方です。

「鼻の穴を目立たなくしたい」というご希望は共通していても、その原因が鼻先の向きにあるのか、鼻孔縁のアーチの形にあるのか、あるいは小鼻の横幅にあるのかによって、適した治療法に違いがあることがお分かりいただけましたでしょうか。
また、鼻中隔延長術と鼻孔縁下降術など複数の施術を組み合わせる場合は、それぞれの手技が互いの効果に影響を与える可能性なども加味した上で、段階的な治療プランをご提案する必要があります。
鼻の穴を目立たなくする施術は、実は皆さんが思っている以上に複雑であり、また担当する医師の判断が結果を左右する可能性があると言ってもよいでしょう。当院では、鼻の状態(向き・形状・大きさ・バランスなど)をそれぞれ個別で診断した上で、一人ひとりの鼻の状態にあった施術をご提案しています。
鼻の穴を目立たなくする施術(鼻中隔延長術+鼻孔縁下降術)は、単独施術よりも組織の移植範囲が広くなるため、腫れ・内出血が出る範囲もやや広くなる傾向があります。個人差はありますが、目安は以下の通りで
腫れや赤み、内出血などのダウンタイムの長さには体質などで個人差がありますが、ダウンタイムが長くなりやすい行為を避けることで、できるだけ早く通常通りの生活に戻すことが可能です。術後は以下の点に気を付けるようにしてください。
腫れ、内出血、感染、血腫、左右差、皮膚面の凹凸、色素沈着、皮膚面の発赤、移植組織の生着不全、鼻呼吸のしづらさなど
以下のような症状が出た際には、速やかにクリニックに連絡をするようにしてください。
鼻中隔延長術は、鼻の中央にある鼻中隔軟骨を移植軟骨で延長し、その延長した軟骨によって鼻先の高さ・向き・長さを調整する施術です。
鼻中隔延長術と同じように鼻先を調整する施術には鼻尖耳介軟骨移植やコルメラストラット法などがありますが、鼻中隔延長術は厚みのある鼻中隔軟骨を土台にするため、鼻先にしっかりと変化を出すことができる他、術後の後戻りが少ないのも特徴です。特に鼻先を下方向に向ける(derotation)ことを得意としており、上を向いた鼻先や、上下の短い「短鼻」の改善に適しています。

鼻孔縁下降術は、耳から採取した皮膚と軟骨を、鼻の穴の内側(鼻孔縁の裏側)に移植し、鼻孔縁のフチのカーブを下方向に下げる施術です。移植組織は鼻の穴の中から挿入するため、表側に傷跡が出ることはありません。鼻先を下げる鼻中隔延長術と組み合わせることで相乗効果が期待できる一方、今回の症例解説でもご説明した通り、この2つを同じタイミングで行うと、症状によっては効果がやや弱まる傾向があるため、状態に応じて同日施術か2段階施術かを検討します。

| 所要時間 | 3時間程度 |
|---|---|
| 施術の痛み | 局所麻酔注射による痛み |
| テープ・ギプス固定 | 固定あり |
| 通院 | 2~3回程度 |
| 麻酔 | 局所麻酔注射+鎮痛点滴/局所麻酔注射+静脈麻酔(選択可能) |
| 持続性 | 半永久的効果(後戻りが生じる場合あり) |
術後2~3日程度をピークに徐々に落ち着き、大きな腫れは1~2週間程度、細かなむくみや腫れは数ヶ月かけて改善していきます。
鼻先や小鼻周辺に内出血が生じることがあります。通常2~3週間程度で次第に薄くなっていきます。
鼻中隔延長術をオープン法で行うため、鼻柱部分に切開線が生じます。術後しばらくは赤みが目立つことがありますが、時間の経過とともに徐々に薄くなります。鼻孔縁下降術では鼻の穴の内側と、移植組織を採取する耳に傷が生じます。
術後は鼻腔内の腫れなどによって、鼻づまり感や鼻呼吸のしづらさ、鼻先のつっぱり感・違和感が生じることがあります。腫れが引くにつれて徐々に改善していきます。
当院では鼻整形後のテープ固定は5日間を推奨しています。鼻整形後のギプス固定は、①腫れが生じるのを抑える ②組織の癒着を早める ③外的な力から患部を守るなどの目的があります。イメージに近い鼻のラインにするためにも手術と同じくらい重要なプロセスとなりますので、5日間はご自宅にいる間だけでも、できるだけ固定を心掛けてください。※ギプス・テープは大きめのマスクをすれば大部分を隠すことができます。
術後に腫れ、内出血、感染、血腫、左右差、皮膚面の凹凸、色素沈着、皮膚面の発赤、移植組織の生着不全、鼻呼吸のしづらさなどが生じることがあります。
シャワー・洗顔・洗髪は翌日から可能ですが、固定期間中は鼻やギプスを濡らさないよう注意してください。長時間の入浴は腫れや内出血を強くする可能性があるため控えてください。
施術部位以外は当日から可能です。鼻周辺のメイクは固定を外した後から可能です。
アルコールや辛い物などは血流を促進し、腫れや内出血を長引かせる可能性があります。激しい運動やサウナ、長時間の入浴などについても、術後数週間程度は控えるようにしてください。
| 鼻中隔延長術 | オープン法 | 330,000円 |
|---|---|---|
| クローズ法 | 220,000円 | |
| 鼻孔縁下降術 | 330,000円 |
Doctor
院長・監修者情報
みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長
札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士