鼻プロテーゼ+鼻中隔延長術
| お悩み |
|
|---|---|
| ご希望 |
|
| その他 |
|
鼻スジをスラッとしたシャープなラインにしたいとご相談に来られた19歳の女性です。
このような際にはヒアルロン酸やプロテーゼ、軟骨移植などの隆鼻術で鼻スジを高くするのが一般的ですが、注意点としては、元々の鼻の状態によっては鼻スジに高さを出したことで、逆に「潰れたような鼻先」になってしまうことがあるという点です。
これは、鼻スジに高さを追加したことで、今までは気にならなかった鼻先が相対的に低く見えてしまうことで起きるものです。
視覚的に生じうる現象のため「仕方がない」とも言えるのですが、せっかく鼻をキレイにしたくて施術を行ったのに、このような本末転倒な結果になってしまうのは、医師である私としても出来るだけ避けたいところです。
そのため、鼻スジを高くすると鼻先のバランスが崩れる可能性がある方については、当院では事前にその旨をお伝えし、必要に応じて鼻先を高くする施術を同時に行うこととしています。

鼻スジにはI型プロテーゼを挿入しています。プロテーゼは既製品をそのまま使用するのではなく、鼻の形状・鼻骨の長さに合わせて、挿入前に適切な形状に削り出しの加工を行った上で挿入しています。
挿入する層(レイヤー)は鼻骨の骨膜下ポケットとしており、鼻骨と骨膜の間に正確に収めることで、術後にプロテーゼが動いたり触れてわかったりすることを防いでいます。
術後にプロテーゼが皮下でズレてしまったり、皮膚上から触った際に硬さや違和感などが生じないように、当院ではプロテーゼの加工には20~30分程度の時間をかけて丁寧に削りを行っています。手術時間が少し長くなってしまうのですが、できるだけ患者様が思い描いているイメージに近い仕上がりになるように、また術後にトラブルが生じるリスクをできるだけ避けるために、時間をかけた形で対応しています。
また鼻先については、鼻スジに負けないだけの高さと角度を持たせるために、鼻中隔延長術を行っています。鼻先はプロテーゼで直接圧をかけると皮膚が薄くなるリスクがあるため、鼻スジはプロテーゼ、鼻先は自家組織(軟骨)という形で使い分けを行っています。
※鼻整形におけるプロジェクション(Projection)とは、「鼻先の高さ(鼻先の前方への突き出し具合)」のことをいいます。顔を真横から見たときに、鼻の付け根から鼻先がどれだけ前方に高く突出しているかの度合いを指します。
今回の症例における1つ目のポイントは、鼻スジを高くしたいというご希望に対して、「鼻スジだけ」ではなく「鼻先」にも高さを追加したという点です。鼻スジが低いからと言って単純に鼻スジだけを高くしても、必ずしも鼻全体がバランスよく見えるとは限りません。逆に鼻スジだけに高さを出すと、鼻スジと鼻先の高低差が大きくなり、相対的に鼻先が低くて潰れたように見えてしまうことがあるため注意が必要です。
今回の患者様も、主なご希望は「鼻スジを高く・細くしたい」というものでしたが、もともとの鼻の高さ・形などを考慮し、施術では鼻スジだけではなく鼻先にも高さを追加することで、鼻スジから鼻先までを一体感のある滑らかなラインに整えています。
鼻に限ったことではありませんが、美容整形に携わる医師は、患者様のお悩みをそのまま「点」で捉えて施術をするのではなく、顔全体を「面」として捉え直し、全体のバランスを整えていく診断力やデザインの感覚が特に必要だと考えています。
2つ目のポイントは、鼻に高さを出す方法として、鼻スジにはプロテーゼ、鼻先には自家組織を使用するという「挿入素材の使い分け」を行っている点です。プロテーゼは何かとマイナスなイメージを持たれがちですが、実は自家組織よりも「しっかりと高さを出しやすい」「削り出しによって細部までラインや形状を調整できる」といったメリットがあります。そのため、鼻スジの高さやライン、細さにこだわりたい方については、自家組織よりもプロテーゼが適していることもあります。一方、鼻先は皮膚への負担を考慮する必要がある部位です。鼻先までプロテーゼで高さを出そうとすると、皮膚に持続的な圧がかかり、菲薄化や露出などのリスクが高まるため、今回は自家軟骨を用いた鼻中隔延長術によって高さを追加しています。このように、目的は同じ「挿入物を使用した鼻整形」であっても、部位や組織の状態にあわせて適した素材を選び、組み合わせていくことが鼻整形の難しさでもあり奥深さでもあります。
目元、耳、顎などと比較すると、顔の部位の中でも「鼻」はかなり複雑な構造をしている部位です。「鼻スジ」と「鼻先」という2つの異なる形状の部位で構成されているため、鼻の整形を行う際にはこの2つの部位の特徴を把握した上で施術を行う必要があります。
鼻スジについては、細かなデザイン性を優先するのか、異物を使用しないことを優先するのか、このあたりも素材を選ぶ際のひとつの基準になります。
プロテーゼのメリットは、希望する高さ・太さ・カーブなどにあわせて細かく加工できる点です。
「鼻根は少し控えめにしたい」
「鼻背は細くシャープにしたい」
「この部分だけもう少し高さが欲しい」
といった細かな調整がしやすく、鼻スジの形にこだわりたい方に適した素材です。また、必要になった際には取り出したり、サイズや形状を変更したりすることも可能です。
一方、人工物を身体に入れることそのものに抵抗がある方には、耳介軟骨や肋軟骨、筋膜などの自家組織を使用する方法があります。自分自身の組織を使用できる点が大きなメリットで、比較的自然な変化を希望する方にも適しています。
ただし自家組織だからリスクがないというわけではなく、採取するための手術が別途必要になるほか、吸収・変形・採取部の傷跡など、自家組織特有のデメリットもあります。
対して鼻先は、基本的に「自家組織」を使用した施術が一般的となります。鼻先は皮膚が非常に薄い上に、鼻をかむ・鼻を擦るなどよく動かす部位となるため、人工物で強い圧をかけると血流障害や皮膚壊死、露出、感染などのリスクが高まることがその理由です。
一部ではヒアルロン酸やオステオポールなどを使用した施術を行っているところもありますが、当院では修正手術のご相談も多くいただいています。施術を検討する際には、慎重に判断するようにしてください。
プロテーゼにはカプセル形成や石灰化、位置ズレや輪郭の浮き出し、鼻先の皮膚への過度な圧迫などが生じる可能性があります。これらのうちカプセル形成や石灰化は長期経過によって生じる変化となりますが、プロテーゼのズレや輪郭の浮き出し、鼻先への過度な圧迫などについては、挿入位置やサイズ、使用する部位などを適切に判断することでリスクを抑えることができます。
こうした一つひとつの工程を丁寧に行うことで、皮膚から浮き出てくるリスクや位置ズレなどのトラブルは最小限に抑えることができます。
※プロテーゼには上記のようなデメリットがありますが、ズレや皮膚からの浮き出し、過度な圧迫などは、適切なサイズ・挿入位置・レイヤー(挿入する層)で処置を行うことで、リスクを最小限に抑えられると考えています。
腫れや赤み、内出血などのダウンタイムの長さには体質などで個人差がありますが、ダウンタイムが長くなりやすい行為を避けることで、できるだけ早く通常通りの生活に戻すことが可能です。術後は以下の点に気を付けるようにしてください。
腫れ、内出血、感染、皮膚面の傷跡、左右非対称、血腫などの他、プロテーゼ挿入(鼻スジ)についてはカプセル拘縮、石灰化、皮膚からの露出、鼻中隔延長術(鼻先)についてはワーピング(軟骨の反り)、後戻りが生じることがあります。
以下のような症状が出た際には、速やかにクリニックに連絡をするようにしてください。
※途中で仮挿入の状態で上体を起こしていただき、ご自身で鏡を持って高さ・形をチェックしてもらいます。必要があれば、その場でプロテーゼの再加工・微調整を行います。
鼻プロテーゼとは、医療用シリコンでできたプロテーゼを鼻根から鼻背に挿入し、鼻スジに高さと細さ(尖り感)を出す施術です。
プロテーゼを既製品のまま使用するのではなく、骨の形状に合わせて削り出しの加工を行った上で挿入しています。プロテーゼの加工にかける時間はクリニックによって異なりますが、当院の場合、鼻スジに入れた際に動きやズレ、皮膚からの浮き上がりなどが生じないよう20~30分程度かけてじっくりと形やサイズを加工した上で施術を行っています。さらに挿入する層(レイヤー)は鼻骨と骨膜の間の骨膜下ポケットとしており、正確なレイヤーに挿入することで術後の安定性を高め、皮膚から浮き出るリスクを抑えています。

※鼻先に高さを出す場合は、プロテーゼではなく耳介軟骨など自家組織移植(鼻中隔延長術・鼻尖耳介軟骨移植など)を併用することが多いです。鼻先は皮膚が薄く、血管損傷や皮膚壊死などの重篤なリスクが生じる可能性が高いためです。
鼻中隔延長術は、鼻先に軟骨を移植することで鼻先に長さや細さを出したり、鼻先の向きを調整する施術です。移植する軟骨は基本的に耳から採取しますが、ご希望があれば肋軟骨から採取したものを使用することも可能です。基本的にはオープン法で手術を行いますが、患者様からのご希望があればクローズ法にて皮膚側に傷跡を残さない形で施術を行うことも可能です。

| 所要時間 | 1時間程度 |
|---|---|
| 施術の痛み | 局所麻酔注射による痛み |
| テープ・ギプス固定 | 固定あり(5日間程度) |
| 通院 | 1~2回 |
| 麻酔 | 局所麻酔注射のみ/局所麻酔注射+鎮痛点滴/局所麻酔注射+静脈麻酔/全身麻酔(選択可能) |
| 持続性 | 半永久的効果 |
術後2、3日目が腫れのピークとなり、その後は1~2週間程度で次第に落ち着いていきます。
内出血が生じた際は2~3週間程度で次第に薄くなっていきます。
鼻の穴の中を切開するため、皮膚面に傷跡は残りません。
術後は鼻づまり感や違和感が一時的に生じることがあります。数日~1週間程度で次第に改善します。
当院では鼻整形後のテープ固定は5日間を推奨しています。イメージに近い鼻のラインにするためにも手術と同じくらい重要なプロセスとなります。
術後に腫れ、内出血、感染、左右非対称などが生じることがあります。ごくまれにカプセル拘縮、石灰化、皮膚からの露出などの合併症が生じることがあります。
シャワー・洗顔・洗髪は翌日から可能です。
施術部位以外は当日から可能です。
アルコールや辛い物などは血流がよくなるためダウンタイムが長期化する可能性があります。同様に激しい運動やサウナ、長時間の入浴なども術後数週間程度は控える方がよいでしょう。
| 鼻プロテーゼ | プロテーゼ挿入 | 220,000円 |
|---|---|---|
| プロテーゼ抜去 | 330,000円 | |
| オーダーメイドプロテーゼ | 550,000円 | |
| 鼻中隔延長術 | 耳介軟骨移植・オープン法 | 330,000円 |
| 耳介軟骨移植・クローズ法 | 220,000円 | |
| 肋軟骨移植・オープン法 | 880,000円 |
Doctor
院長・監修者情報
みずほクリニック 院長 小松磨史(こまつ きよし) 美容外科・美容皮膚科 みずほクリニック院長
札幌医科大学・大学院卒業。米国フロリダ・モフィット国立癌センター勤務(ポストドクトラル・フェロー)後、札幌医科大学・形成外科 助教、北海道砂川市立病院・形成外科 医長、大塚美容形成外科入職(大塚院・金沢院・名古屋院など)を経て、2014年みずほクリニック開院。形成外科・美容形成外科での豊富なオペ実績とあわせ、レーザー治療や注入術へ対する独自理論を追求し、患者様の理想とする姿を目指し的確でスピーディな結果を出すことに意欲を注ぐ。免許・資格:日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本美容外科学会・正会員、医学博士